相良くんはなびかない
教えてくれるの!?
あの、相良くんが!?
「どうしたの?頭でも打ったの?保健室行く?」
「は?」
「ごめんなさい」
ああ、この人に何も言わせないような威圧感。
相良くんだ。本当に相良くんなんだよね?
「どうか教えてくださいっ」
「ん、シャーペン貸して」
「はいっ」
「問題見せて」そう言って相良くんは私の前の席に座ってプリントを覗き込む。
その時にふわりとシャンプーの匂い。
何かすごくいい匂いなんだけど、私より女子なんじゃない?
……って、あ、いや、変態じゃないよ!!
偶然!本当に偶然だから!!
「変顔してないで話聞きなよ」
「へ、変…っ!? …う、うん」
変顔なんてしてたつもりないけどね!
相良くんは変な顔だったらしい私にもちゃんと教えてくれる。
毒吐いたりするけどやっぱり良い人だよね、相良くんって。
「ほら、やってみて」
「え、えっと…」
こ、こうだっけ?
こんな感じ?合ってるの、かな?