相良くんはなびかない



「相良く、……」



確認したくて相良くんに聞いてみようと思って、相良くんを見てみるとどこかを見ている。

そちらを見てみれば、中庭を挟んで向かいにある旧校舎の中にいる女の子。


…沢田さん。

沢田さんは頭良いらしいし、運動もできるらしいし、可愛いし、スタイル良いし、優しいらしいし。


思わず俯いた。


相良くんは沢田さんが好き、なの?


……ううん! まだ好きだってわかったわけじゃないし!

望みある、よね…?



「相良くん、課題一通り終わったよ!」

「ん」

「もっと褒めてくれたって良いんだよ?」

「…」



相良くんの冷たい視線。



「う、ごめん! 教えてくれてありがとうございました!!」

「…ほら、お疲れ」



ぽんぽん、


え。これって、俗に言う頭ぽんぽんってやつじゃ…!?

え!?


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