相良くんはなびかない
「アンタが褒めろって言ったんだろ」
相良くんはふいっと顔をそらした。
どこかのマンガで見るような照れる様子なんて相良くんには一切なかったけど、いつもがツンだったら今日はデレかな。
勉強は教えてくれるし、ちゃんと課題終わらせたら褒めてくれるし。
惚れさせる気なの?もう惚れてるんだけど!
「あの、ありがとう」
えへへー、と顔を緩ませる。
「……妖怪みたい」
…私ってそんなに酷い顔してるかな!?
確かに美少女とか可愛いとかそんな言葉を求めてるわけじゃないけどさ…!
「もー!私、帰るからっ」
「早く帰れば」
遅いから送ってくよ、とか想像してみたけど、やっぱり相良くんだった。
「じゃあね!」
私は課題を提出するために職員室に向かった。