相良くんはなびかない




「おー、初瀬。意外と早く終わったな」

「先生は私を何だと思ってるんですか!」

「何って、頭がわる…人より倍努力してほしい生徒」



今、頭が悪いって言おうとしたよね!

確かにそんなに良くはないけど!

今日、先生が教室に様子を見に来る前に終わったのはほぼ相良くんのおかげなんだけど!


聞き捨てならん!



「私だって、やればできる子です!」

「そういうのは結果残してから言えよー」

「むっ」



小学校の頃は100点とか余裕だったし…!

中学は…、そうでもなかったけど……。



「そろそろ6時だし帰れよ」

「…はーい」



「失礼しました」職員室を出て、昇降口に向かうことにした。

そういえば、相良くんに一緒に帰ろーって言ってみればよかったかな。


もしかしたら、一緒に帰れたかも…!

なんて、一緒に帰れた試しなんてないんだけど…。



昇降口について、外靴を履いた。

外は日も落ちかけて、かなり暗いし寒い。


どうやったら相良くんに近づけるのかなあ。


スクールバッグを肩にかけ直して外に出ようとした、その時だった。



「遅い」

「……え、相良くん」

「暗いし送ってく」



……え?やっぱり今日は相良くんのデレの日なの?



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