相良くんはなびかない



「おい、初瀬」



初瀬?それ、私の名字。

もう、今は傷心なんだから話しかけないで!


って。



「教科書も出さずに授業受けようって思ってんのか?」



威圧感すごいよ、先生。

そして、今は数学の授業らしい。



「今、出そうと思ってたところで! 先生とは気が合いそうですね〜!」

「じゃあ課題な。残ってやってけよ」



数学得意でも好きでもないのに!
先生、ひどっ!



「ふっ」



隣で佐倉は鼻で笑うし!

今日も相良くんに一緒に帰ろうって言うつもりだったのに!!



先生と気が合うなんて言ったの誰よ〜〜っ!


ポンッ、

何か紙が飛んできた。


どうせ佐倉だろうけど。


律儀にも折りたたまれたそれを開いてみる。

『バーカ』

だから、これのどこがカッコいいのよ!女の子!



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