相良くんはなびかない




もう傷心だし、その傷を課題という名の刃物で先生はえぐってくるし、その上佐倉がバカにしてくるし!


さっさと課題終わらせて帰っちゃうもんねっ!

先生に早く出しに行こっ!


放課後。


私は1人、教室に残って課題をしていた。



「うーん………」



している、って表現よりも見ている、の方が合っている気がする。

つまりわからない。


佐倉は頭いいけど佐倉に頼むのは癪だし、

私がお昼の誘いを断られた、例の友達の美嘉もバイトだっていうし、

頭のいい岡元さんにも頼んでみたけど、面倒くさいの一点張りでさっさと帰っちゃったし。


私の周りには冷たい人しかいないの???


確か、相良くんも頭良かった気がする。

あーあ、相良くんに教えてもらえたらなー、なんて。


もう帰ったよね。


この寒さの中、走ってる運動部の掛け声がここまで聞こえてくるよ。

私も頑張らないとー!
って言っても、わからないものはしょうがない。


公式の1つも出てこないです。


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