▼私の覚悟、そして未来
トイレから戻るとすぐに
面会の部屋に連れて行かれた。
プラスチックの仕切りの向こう側から、
警察官と一緒に蓮がやって来た。
数日ぶりにみる彼の顔は
少しやつれていたように感じる..............
私の顔を見た瞬間、
彼の目から涙がこぼれた。
蓮は、ずっと泣いていた。
「絵里奈、ごめん..............」
「.........................」
「俺.........ほんまに.....
ださいし、かっこ悪いこと..........」
たった10分しかない面会の時間、
ずっと、ずっと泣いていた。
泣いている蓮をみて、私は笑っていた。
彼の支えになれるような言葉を
かけてあげられない。
それがとてももどかしかったが、
会えて、顔を見ることができて、
声が聴けて、素直に嬉しかった。
このときはまだ、私は涙を流すほど
気持ち的に追いつめられていなかった。
すぐに帰って来るって思っていたから。