▼私の覚悟、そして未来
斉藤さんは毎日のように
私に電話をかけてきてくれた。
私は蓮の家族じゃないのに..............
蓮と絵里奈は
あくまで彼氏、彼女という関係
斉藤さんはその間に入ってくれているのだ
.
「黒川 蓮くんのことで
何か聞きたいことがあれば何でも聞いてください。」
「また面会に行ってくるので伝えたいことがあれば
僕から伝えるようにしますよ。」
斉藤さんはいつも言っていた。
私への事務連絡を一方的にするだけでなく
私の話も親身になって聞いてくれた。
蓮は元気か。
ご飯は食べられているのか
ちゃんと寝られているのか など、
子どもを独り立ちさせた親が
心配して聞くようなことをいつもいつも聞いた。
決まって返事は
蓮はだいぶ落ち込んで、寝られず、
泣いている日々が続いているとのことだった。
蓮の様子を教えてくれたり、
また、わたしの個人的な悩みを聞いてくれたり、
本当に優しい人だった。
そのときの私の携帯の着信履歴は
「弁護士斉藤さん」で埋め尽くされていた。