▼私の覚悟、そして未来
店長なのにという言い方はおかしいが
しっかりしていてほしいポジションに
いるはずの辻本は時間にとてもルーズ
である。
今日もいつも通り
待ち合わせの時間になっても現れない。
「ごめん絵里奈」
そう言って半笑いな、
申し訳なさそうな、
何とも言えない表情で登場。
店長が遅刻するときって
決まっていつもこの表情をする。
華麗に20分遅刻や。
まっいっか...................
「大丈夫です。行きましょー」
と、店のすぐ近くの居酒屋に入り
いつものようにとりあえずビールを注文
と言いたいところだが、
私は飲む気分になれず、
トマトサワーを注文した。
便乗して店長も
「僕も同じやつを下さい」
と、頼んでいた。
ほんの些細なことだが、
私に気を遣ってくれているのが
わかった。
この人は不器用なのだが
優しい心を持っている。