▼私の覚悟、そして未来
お金をとられた被害者である、
辻本亮介(お世話になっている店長)と
その犯人の黒川蓮(私の彼氏)
この微妙な間に挟まれ、
複雑な立場にいる私.............
そんな私のことを、
辻本はよく考えてくれていた。
辻本だって、
好きで被害届を出したわけじゃない。
泣く泣く出したのだ。
それはお金を返してほしいとか
そんな軽い思いではなく、
本当に蓮のことを思ってしたことだった。
こういうことは人として絶対に
やっていけないことだと気付いてほしい。
更生してほしい。
これを機にまっすぐ生きることを知って欲しい。
辻本の思いはただそれだけだった。
その思いは、果たして19歳の蓮に
伝わっているのだろうか。