▼私の覚悟、そして未来
わたしは、何かの間違いだと思った。
いや、間違いであってほしいと願った。
私は女性警官に「あなた着いてきて」
と言われ
蓮を置いて、部屋の外に出された。
女性警官(推定23歳)は、新人のオーラが
ぷんぷんにじみ出ている。
この頼りない感じが、心地よかった。
そして、容疑について詳細を聞かされた。
「.........驚いたかな?ごめんね。
黒川蓮くん、辻本さんの家の金庫から
お金を盗んでしまったの。」
私は頭の中を整理する。
あーそういうことか..................
そういえば、蓮と店長、近々会うって
言ってたもんな.........
「辻本さん、黒川くんの携帯に何度も
電話かけてたみたいなんだけど、
彼、出なかったからこういう形で
家に押しかけることになったの。」
「辻本さん、黒川くんのこと可愛がってたし
今後の彼のことを思って、泣く泣く、
被害届出したみたいなんだけどね......」
そうだよな.......................
店長が蓮のことで被害届出すなんて
よっぽどやわ.....................
どうやらわたしが名古屋の実家に
帰省していた時に犯してしまったようだ。
「彼女の前ではかっこつけたがるから
強がっているけど、間違いなく事実だから
今から彼を署まで連れて行くね。」
そう言われ、私は一旦部屋に戻された。