アイ・ミス・ユー


私もエレベーターに乗り込んで、自分の住んでいる階の「5」のボタンを押す。
機械音とともにエレベーターは上昇していった。


なんて、あっけないんだろう。

今まで意識していなかったけれど、別れ際ってあんなものなのかな。
また明日会えるんだから、名残惜しいなんて気持ちは金子にはあまり無いのかもしれない。


だけど、私は?


いつもと少し感じの違う彼に不安を抱いて、その不安を取り払いたくて。

もっと寄り添ってちゃんと話を聞きたくて、私の話も聞いて欲しくて、何気ない会話をたくさんしたくて、2人で笑い合いたくて。


もっと一緒にいたい、なんて。

同じ会社の同じ場所で働いているのに、不思議だ。


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