アイ・ミス・ユー
極上のマトン肉が七輪に並べられ、鍋縁にはたっぷりの野菜。
お肉の脂が縁を伝い、野菜に染み渡っていい感じに焼き上がっていく。
もくもく立ちのぼる煙を浴びても、みんな同じようにジンギスカン独特の匂いに包まれているので気にならない。
金子の向こう側では、今日私がその役目を担うはずだった今野くんの「愚痴の聞き役」を、樹理が引き受けて話を聞いてあげている。
ただし、左手にはビールジョッキ。
右手にはお箸。その先にはミディアムレアのマトン肉。
しっかりジンギスカンを堪能しながら今野くんの話に耳を傾けているらしいので、とりあえず安心した。