恋ノ栞
幸「おっはよ~♪」
薫「おはよう、幸羽。相変わらず元気ね?」
いつも通りの日常茶飯事。
友達の幸羽(ゆうは)とあいさつして、学校に行く。
だけど、今日は少し違った。
幸「あ、薫月。今日さぁ、転校生来るらしいよ?」
薫「へぇ…?どんな人?」
幸「うーん、ミステリアスらしいよ♪」
ミステリアスな雰囲気か。
相変わらず、前世まで情報提供早いよね…。
流石、前世が忍だよ…。
そう、私と幸羽は前世もちだ。
私は幸羽薫と言う名前で、幸羽はよくわからない。
まぁ、私の記憶が曖昧だからというのもあるけど。
ズキッ!
っ、またか。今日は…また、あの人だ。
いつも、記憶が戻りかけるとき、必ずいる。
『ごめん、ごめん…!僕が…守ってたら…こんな事には…!』
でも、今日はあの人の腕に女性がいて。
『大丈夫…私が…出てしまった…から…』
女性は、前世の私自身。
貴「…私、あの人と約束してたの?」
幸「………」
私は、あの人との記憶を思い出している時、
幸羽はいつもの笑顔を消し、無表情でこっちを見ていた。


[鈴蘭学園 2-A]
教室は、賑やかになっていた。
私と幸羽は遠目に彼、弓結駆君を見ていた。
貴「…どう?」
幸「…いや、いいけど…これはこうしたほうが良いんじゃないのかな?」
ゲームをしながら。
ク「なぁなぁ、弓結。お前好きなやつ、いんの?」
ガダッ!!
貴&幸「…いや、ごめん。なんか…」
駆「ふふ…いいよ。二人とも、よろしくね?」
幸「…はぁ…弓結君、来てくれるよね?」
貴「幸羽、弓結君だって用事はあるでしょ?」
駆「いや、大丈夫だよ。行こうか?」
っ…はぁ…。
弓結君は、あの人じゃない。
似てるだけだよ…ね?
しかし、なんなの?
幸羽は、今日おかしいけど、何か悪い物食べたの?
……
私は、襲ってきた睡魔に身を委ねた。

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