花咲く感情
episode6
モヤモヤした気持ちを抱えながら教室を出る。
早く帰ろう・・・。
そう思って、少し足早に廊下を歩いていると、また呼び止められた。
「日比野さん!ちょっと待って!」
はあ、またか。早く帰りたいんだけどな。
「なに?」
「えーと、親睦会参加しないのかなーと思って」
私の不機嫌を感じとったのか、少し遠慮がちに聞いてきた。
「しないよ、用事あるし」
「そっか・・・」
「話、終わったなら帰るね。また明日」
話が終わったと思い、帰ろうとすると
「ちょっと待って!」
大声で呼び止められて少し驚く。
和泉くんはなんだか困ったような表情をした後
「えっと、その・・・俺も用事あって帰るから途中まで一緒にいってもいい?」
多分、今無理やり作り出した理由を私に言った。
なんで和泉くんは私にかかわろうとするんだろうか。
ほっといてほしい・・・。
「えーと、日比野さん?」
私が何も言わないのが心配になったのか、和泉くんが話しかけてきた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・いいよ」
断ろうとした。本当に断ろうとした。
でも
私の口からでたのは肯定の言葉だった。