ワガママセンセイ
 私が怪我をする度に、紅音は心配そうな目を私に向ける。


 嬉しいんだけど、心配性にも程があるよー。


 本当は少し痛むんだけど、こんな痛みくらい気にしてはいられないし、何よりバスケが好きだから、怪我の一つや二つくらいでトラウマになんてならない。


「蒼依が大丈夫ならいいんだけどさ」


「大丈夫大丈夫!心配してくれてありがとー!」


 ワシャワシャと紅音の髪の毛を撫でていると、担任の先生が教室に入ってきた。


 急いで前見向き直すと、後ろから「せっかく髪の毛整えたのに」と文句を言う紅音の声が聞こえてきた。


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