ワガママセンセイ
 去年同じクラスで、よく勉強のこととかで話が弾んだ気がする。一応、西沢君は学年でも上位の成績で、私も彼によく質問とかしていた。


 整った顔立ちをしているのに、前髪で目が少し隠れていて、おまけに大きな黒縁メガネをしているから、もったいない、と彼を見る度いつも思う。


「どうしたの?」


 私が西沢君に聞くと、彼は少しバツが悪そうにする。


「実は、貴方に頼みごとがあるんです」


「頼みごと?」


「部活終わり、この教室で待っていますので、差し支えなければ来ていただけると嬉しいです。あっ、二十分程度掛かると思います」


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