ワガママセンセイ

【小さな微笑み】

 部活が終わって、私はそのまま西沢君のいる教室へ向かう。


 もう日は沈んでしまって廊下が真っ暗なのに、一つの教室だけ電気が付いていた。


「お待たせー」


 教室に入ると、西沢君は数学の教科書とノートを開いていた。きっと今の今まで勉強していたんだろうな。


「岸さん、お疲れ様です。良ければ前の席に座ってください」


「ありがとう」


 西沢君に言われた席に私は腰を掛けた。


 重たいカバンは床に置いて、さっそく私は西沢君に用件を尋ねた。

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