ワガママセンセイ
「任せて任せてー!まぁでも、私も苦手な分野あるし、そこは割愛してね」


「ありがとうございます、岸さん」


 西沢君がぺこりと頭を下げる。すると、さっそく私に質問したいところがあるらしく、私はしばらくの間、彼に付き合った。


 しばらくと言っても二十分程で終わり、ちょうど完全下校の五分前となった。


「すみません、長引かせてしまって」


「大丈夫だよー!こんなに遅くまで学校に残ったのは初めて」


 私と西沢君、それから数名の先生たち以外は、きっとこの学校にはいないのだろう。


 電気を消して私たちは教室から出ると、廊下は思った以上に真っ暗で、少し不気味だ。


< 19 / 27 >

この作品をシェア

pagetop