ワガママセンセイ


***


「どうしたの、その腕」


 教室に着いてからそう言ったのは、私の中学からの親友の紅音だ。


 後ろの席で、包帯が巻かれている私の腕を心配してくれているようだ。


「ちょっとね、バスケで怪我をしちゃって」


「え、マジか!折れたりはしてない?」


「大丈夫だよ!ボールが強く当たる打撲みたいなもん」


 
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