どこまでも、堕ちていく。

だけど隆志はそんなことお構いなしな様子で会話を続ける。

「メールした件どうなった?」
「ああ、あれね」

久しぶりに東京にいる同級生たちで集まって食事でもしようという話。
隆志は『旦那さんも一緒にどう?』って誘ってくれたんだけど…。

「実はまだ話してないんだよね」

話そうとはしたんだけど、いつものように"忙しいから後で"と逃げられてしまった。

「多分言っても来ないと思うし」
「何で?美雪も呼ぶし遠慮しないでって言っといてよ」

美雪とは隆志の奥さんのことで私も顔見知りだ。

「うーん。でもうちの旦那人見知りだから。一応聞いてみるけど」
「そっか。あ、山本先輩も呼んでみようかな!先輩も地元同じだしさー」

隆志の口から出た彼の名前になぜかドキッとする。
そして私は無意識のうちにこんな質問を投げかけていた。

「ねぇ。山本先生ってどんな人?」

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