どこまでも、堕ちていく。
「あれじゃ子どもが子どもの面倒見てるみたいなものよねぇ」
「…」
「でも結構可愛かったよね?さっきの先生]
「…」
「彩さん?」
「…え?な、何っ?」
「やだ聞いてなかったの?今日の彩さん何だか変」
ごめんなさいと愛想笑いしながら私の心はフワフワしていた。
思い出せないだけで、もしかしたらどこかで会ったことがあるのかもしれない。
だって初めて会った気がしないのだー。
その日の夜、息子の雅紀が持ち帰ってきたプリントを見て唖然とする。
「もも組担任、やまもとなおき…?」
そのプリントは数日後に行われる"親睦会"のお知らせだった。
親睦会とは、進級した児童の保護者と先生たちが初めて顔合わせをする場所らしい。
内容を一通り読み、その最後のほうに書かれている名前を見て私はフリーズしてしまう。
だって雅紀の担任として書かれいていたのは、今朝会ったあの男性教論の名前だったのだ!
「あの新人が雅紀の担任!?」