どこまでも、堕ちていく。
178cmの高身長でそれなりにイケメン。
さらにIT企業の社長とくれば、多くの女性がうらやむ条件が揃っている。
20代後半にして綺麗な一軒家に住めて金銭面での苦労は全くない。
周りのママと比べても恵まれているほうだと思う。
…それなのに、不満を持つ私はワガママなのだろうか?
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「もも組の担任をさせていただく山本直樹です!」
まるで部活動の新入社員のようなフレッシュな挨拶で登場した彼。
そう、今の私の最も大きな不安の種ー。
雅紀の担任教論、山本直樹だ。
少し空回り気味の直樹の挨拶が終わり、保護者の中から役員を決める話し合いが始まった。
「じゃあ役員を決めていきましょう!ではまずー」
旦那が言う通り、余計な心配なのかもしれない。
だけど気弱で未だに幼稚園に不慣れな雅紀を任せるにはあまりにも頼りない印象を受ける。
「…ん?月影さん?」
ぼやける視界の中に突然現れたのはその頼りない新米先生、直樹だった。
「月影さん!」
「は、はいっ!?」