ケンショウ学級

本当はまだ口に出すつもりはなかった。

でも、この人たちとなら、そして友澤くんや春馬と一緒ならできる気がしたから。

つい、口に出ていたんだ。

「皆に聞いて欲しいことがある!」

クラスの視線が僕に集まった。

「…………これを言うことで僕への疑いが強くなるかもしれない。でも!

僕も本当のことを知りたいから。皆と無事にここを抜け出したいから」

…………そうだ、勇気を。

勇気を振り絞れ。

「落ち着いて聞いて欲しい」

大上先生から借りた心理学の本。

その背表紙に書かれていた10文字を告げる時がきた。

さぁ、勝負だ。







「犯人はこの教室にいる」









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