ケンショウ学級
「やぁ、みんなお早う」
突然にモニターが点いて、アイツが例の部屋からこちらを見ている。
部屋の中も見渡すけれど、何も変化はなさそうだ。
アイツはこの実験の間、ずっとあの部屋の中にいるのだろうか?
「昨日の君たちのホームルームは実に有意義だったね。だからこそ、僕から二つ君たちにご褒美をあげよう」
「ご褒美だと…………?」
誰よりも早くその言葉に反応したのは、僕の隣にいた春馬だった。
春馬なんで。
なんでそんな顔をしているんだ?
「一つ目のご褒美は、君達が議題としていたあの著書の真相。そして、もう一つは新たな提案とでも言っておこうかな」
「著書の真相と新たな提案!?」
「友澤くん、疑問をしっかりと復唱して問い直す。君は本当に勤勉で頭が良い。
その通り、つまり"あの著書を書いた人物"を君たちに教えようと言っているのだ。そして、"このケンショウ学級を終わらせる新しい方法を与える"ということだよ」
「えっ…………!?」
「このケンショウ学級を」
僕たちが耳を疑ったのは後者だ。
このケンショウ学級を、この陰惨な心理実験を
「終わらせる方法だって?」