ケンショウ学級
あ、頭がぼーっとする。
左のほっぺたが冷たい。
冷たい鉄板の上にでも寝転んでるみたいだ。
「……で……」
「…………ないか!」
「……も……じゃん」
誰かの声。
複数人の気配がする。
あれ?僕は何をしていたんだっけ。
「…………藍斗、藍斗!」
この声……春馬。
そうだ、僕は学校で…………
「…………!」
意識が戻って僕は飛び起きた。
目を覚ました僕を見て、春馬は安堵の息をつく。
本当に心配してくれていたんだな。
「そうだ、大上先生!先生は!?」
辺りを見渡すとそこは、さっきまで居た教室ではなかった。
ただのコンクリートでできた四角い空間。
そんな空間に僕らの戸惑いの声が反響していた。
「…………どこ?ここ?」
奥の暗闇がなんとなく揺れているように感じた。
辺りを見渡すけど教室よりも狭い空間に、心許ない灯りがあるだけだ。