ケンショウ学級
「……うっ、なんなのこれ」
「大丈夫、大丈夫だよ悠里」
隅にうずくまる原田さん。
小野 真緒(おの まお)さんが背中をさすりながら励ましている。
「くっそ。どこなんだよ」
「ほんとダルい」
佐野くん達のグループは固まって不平不満を口にしていた。
いつも通りを装ってるけど、どこか皆がイライラしている。
「あ、小池も目が覚めたみたいだ」
「いこう」
僕らは小池っちの側に駆け寄る。
まだ何人かは目が覚めていないようで仲の良かった人がそばについて揺すったり声をかけたりしていた。
小池っちに駆け寄るまでにざっと部屋を見渡してみたけれど、この空間に大上先生の姿はなかった。
アイツは死んだなんて言っていたけど、大上先生はどうなってしまったのだろうか…………
「大丈夫か、小池」
「…………あ、春馬くん。藍斗も」
「うん、身体起こせる?」
小池っちがゆっくりと身体を起こすのを支える。
藍斗はすぐ近くに居た亮二のことを揺すっている。
しばらくして亮二も目が覚めた。
「これで一応全員目が覚めたみたいだな」
「だね」
その時、どこからか監視をしているのだろう、背後に設置されていたモニターの電源が勝手に点く。
そこにはアイツの姿があった。
「やー、皆さんおはよう」