ケンショウ学級
「おはよー」
「おはようございまーす」
校門に立つ生活指導の先生に挨拶をして登校をする。
ありふれた毎日の始まり始まり。
「ふあー」
僕は大あくびをしながら通学路を歩いていく。
すると50メートルほど先に親友の姿を発見した。
気づかれないように慎重に慎重に。この後のことを思い浮かべると笑いが込み上げる。
けれど、それを我慢してゆっくりと背後へと忍び寄る。
そして、手を伸ばせば届く距離までつめて、ゆっくりと息を吸った。
周りの生徒は僕の行動を見てすぐさま耳をふさいだ。
「わぁーーーー!!!!」
僕はめいっぱいに大きな声で叫んだ。
「……ひっ!
ぎゃーーーーーっ!」
周りには他学年の生徒もいたけれど、登校の時間なんてものは似かよるもので、僕とこいつとの毎朝のやり取りは周知されている。
僕が叫んで、親友が毎度毎度同じリアクションをする。
そんな、ちょっと退屈でありふれた日々。