ケンショウ学級

玄関まで来ると登校してきた生徒達で、靴箱の周りはごった返しになっている。

その中には僕らのクラスメイトも数人いた。

「お、春馬くんと藍斗だ。おっはよー」

「小池っちおはよー」

「はよー」

小柄でくせっ毛なこいつは小池 大祐(こいけ だいすけ)。

クラスの男子の中では身長が一番低い148センチ。

色素がちょっと抜けた黒髪で、外で見るとうっすら茶髪に見える。

「なぁ、前から気になってたんだけど小池っちってなんで僕は呼び捨てで春馬にはくん付けなの?」

僕の問いに小池っちは目をぱちくりとして答える。

「え?だって春馬くんは格好良いから」

なんて簡潔で残酷な。

「ははっ」

「おん…………そか」

春馬も別に気にせずに笑っているけれど、なんか朝っぱらから精神に微妙なダメージを負った気がする。

まぁ、小池っちはなんていうか良い意味で素直だけど、時おり空気が読めない。

でも、憎めない。そんなやつ。


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