ケンショウ学級
残り1分。
時計はないけど、110分が経過した時から頭の中で数えていた。
もうすでに眞木さんは衰弱しきっているけれど、望みが出てきた。
もう少し、もう少しで彼女は解放されるんだ。
そしたら目隠しを外して、足を観たときに安堵の息をつくのだろう。
なんだケガなんてしていなかったんじゃないかと。
「いや、そうじゃない…………?」
モニターの中で白仮面が動き出した。
これまで10分毎にしか動きを見せなかったのに、ふいに眞木さんの近くに移動する。
そして、あの時の中村さんの様に手首の付け根に指を当て、そして瞳孔をペンライトで照らし見る。
次の瞬間、モニターが切り替わった。