ケンショウ学級
今回のカレーでは嫌がらせの特盛カレーを含めて誰も残すことはなかった。
勿論みんながみんな食欲があったわけではない。
食べれる人が食べられない人の分までお腹に納めたからだ。
驚いたのは佐野くんグループの活躍だった。
寺井くんは自分と眞木さんの特盛カレーを食べきり、おおよそ五人前くらいは食べていた。
佐野くんと田口くんは何人かの女子の食べきれない分を食べて三人前くらいだったと思う。
「佐野くん達には負けてられないぞ」
そう言った委員長は、雨宮さんの分を半分くらい食べていたし。
僕は自分の分はなんとか食べきり、特盛カレーの半分を諦めた小池っちの分を僕と井上くんとでどうにか食べた。
「うぷ。苦しい…………」
机に顔をつけて、両手でお腹をさする。
すると机の下の道具いれに手が当たった。
僕は何故かいつもその存在を忘れてしまうそれを思い出した。
道具いれに手を入れるとやはり、それが入ったままになっている。
やはり意図的にこの本だけが没収されていないのだろうか?