━愛のカタチ━
★続き、始まり、それも恋。
きっと、ここに居る。
桜が舞う校門の中には、
溢れるほどの、希望が待っている。
――・・・・・と、信じていた。
「朱羽はどうすんの?」
「へ?」
中学三年の夏。
周りが進路を決め始める中、私は一人。
白紙のままだった。
「そろそろやばいんじゃな〜い?」
「ま、それは〜。そうなんだけどさ。」
中野朱羽-ナカノアゲハ-
珍しい名前でしょ?
昔はこの名前が大っ嫌いだった。
アゲハ。
なんて、蝶でしょ?
虫じゃん。
ム・シ!!!!!
そのせいで、昔っから馬鹿にされるし。
好きな人には、
『お前ムシじゃん、気持ちわりぃ』
とか言われるし。
おかげで、私の初恋はあっさり散ったよ。
・・・・・・・・でも、
今はこの名前。
大好き!
何でか・・・って言うと、
「朱羽ー?行くよー?」
「あ、はーい!」
とりあえず、今はまだ内緒、って事で!
「ちゃんと考えなよ?朱羽ぁ、」
「はいはい、」
決めてもいいかな、って学校もあるんだけどさ。
けど・・・・・・。
どうしても。
どうしても。
決めらんない理由があるんだ。