99%思い通り
嘘ばっかり。
リツがいなくちゃ何も始まらないくせに。
リツ以外なんて、誰も考えられないくせに。
わがままで強情な女は、どこまでいっても、どんな状況になっても、その態度を崩すことはできないらしい。
「気が変わったんだ」
「え……?」
「美玖さんなんか、わがままばかりで振り回されて、もう懲り懲りだって思ったけど。……それでもやっぱり好きだから」
改めて想いを告げられた。
私が言い放った可愛げのない言葉たちは、そのうちのひとつもリツには届いていないようだった。
強硬な姿勢を貫いた手前、引っ込みがつかなくて素直に喜ぶ自分をひた隠しにしてしまう。
でも、そんな私など一向に解さない調子で、リツは言葉をつなげる。
「ただ……もう美玖さんの都合のいい男でいるつもりも……ないからね」
砂に足を取られながら、リツが徐々に私との距離を詰める。
対して、私は身動きも取れずにいる。
だって、こんな夜更けにだって、リツのその視線は真っ直ぐだから。
呆れるほどに、純真だから。