99%思い通り
「もう遠慮するのはやめた。美玖さんの気持ちを優先して自分の気持ちは抑え込んでいたけど、そんな我慢ももうしない。俺の好きなようにさせてもらうから」
そんな瞳で見つめられたら、何も言えなくなってしまう。
伝えようと思った言葉を先に言われてしまい、勢いを失った私の唇。
「リツ……」
言葉が出てこない。
私も好きだと、ただそれだけ伝えればいいのに。
たった二文字なのに。
でも、ずっと飲み込んできた大切な言葉だから。
ずっと温めてきた気持ちだから。
簡単に口にすることができなくて、ただ唇を噛みしめてばかりの私。
リツの伸ばした手が私の髪に触れた。
いつでも私だけに向けられた、優しく微笑むその顔を、また私に見せてくれた。
そのことだけでも嬉しいのに、またしても先手を打たれてしまった私は、つくづく救いようのない女だ。
私を引き寄せようと腕を掴んだ刹那、彼が驚いて目を丸くする。
「……美玖さん、裸足?」