99%思い通り

やっぱりちゃんと言わなきゃ、ここへ連れてきてもらった意味がなくなる。
こんな私の元へ戻って来てくれたリツに、言うべき言葉はひとつ。

寄せる波間を縫って、リツの元へと足を進めた。
夏が近いとはいえ、まだ冷たい海は、足先から確実に体温を奪っていく。
でも、それ以上に熱を帯びる私の気持ち。


「リツ……」


その背中に後ろから腕を回した。
私の突然の行動に、リツが驚きで身構える。

背中を伝って、リツの鼓動が聞こえてくる。
私と同じように早まる心音が、そっと重なり合った。


「好きなの」

「え……?」

「リツの気持ちを確かめたくて、今までわがまま言って振り回してごめんね」


波の音にかき消されてしまわないように、リツの耳元に唇を寄せる。
クルリと身体を反転させ、リツは私に向き直った。


「今……何て?」


信じられないという表情で私を見下ろす。

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