99%思い通り
「リツのことが好き」
戸惑うリツにもう一度伝えた。
口に出してしまうと、これほど単純明快なことかと拍子抜けしてしまうけれど、その重みを感じないではいられない。
言ったそばから温かい気持ちが広がる。
こんなことなら、もっと早く言えば良かった。
今までリツと何気なく過ごした時間がもったいない。
もっとこうして触れ合えばよかった、なんて。
「……ヤバイ」
「何?」
「すごく嬉しいかも」
リツが満面の笑みを向ける。
そんな笑顔は、久しぶりに見た気がする。
「――ちょっと待って」
唇を重ねようと顔を近づけたリツを制止した。
「え?」
喜色満面が一転、リツが泣きそうな表情で私を見下ろす。
こんな寸前でおあずけにするつもりじゃない。