99%思い通り

左手には、海岸線が緩やかにカーブを描く。
満月に照らされた水面が、金色にゆらゆらときらめいていた。

もうすぐ二十五時だ。


「ねえ、リツ、もっと飛ばしてよ」


答えてくれないことは分かっている。
でもそうじゃないと、間に合わなくなってしまう。

私の煽る言い方に軽い溜息を吐きつつ、リツが徐々にアクセルを踏み込んだ。


ねえ、どうして今夜はそんなに不機嫌なの?
お願いだから、そんな顔は見せないで。

一年前のあの浜辺で、今夜こそリツに気持ちを伝えたいから。
ずっと言えずにいた言葉を告げたいから。


私のはやる気持ちを一層掻き立てるように、ガードレールが次第に早送りで流れていく。


リツに対して初めて素直になるのは、少し怖い。
今にも怖気づきそうになってしまう。
それでも何とか奮い立たせ、強気な空気を醸し出した。


「美玖さん……」


そんな中、リツがようやく重い口を開く。

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