99%思い通り
やっと機嫌を直してくれたのかと、笑顔を向けて彼の次の言葉を待った。
「……もう終わりにするよ」
「え……?」
意味のつかめない言葉だった。
そして次の瞬間、キーッというブレーキ音と共に車が急停車し、前へ倒れた身体は、軽くシートにバウンドした。
同時に、流れていた景色もピタリと止まる。
手荒な運転なんて、リツはしたことがないのに。
明らかにいつもと違うリツの態度に、戸惑いを隠す余裕が吹き飛んで行く。
所詮はそんな余裕なんて、葉っぱほどの重さもないものだから。
リツの態度ひとつで、どこへでも簡単に飛ばされてしまうのだ。
路肩に車が停められる。
リツは運転席から忙しなく降りると、助手席のドアを開けて、乱暴な手つきで私を外へと引っ張り出した。
「ちょっ、痛いってば!」
「美玖さんのわがままに付き合うのは、これっきりにする」
「え……?」
私の心を根こそぎえぐるようなひと言だった。