夜明けの恋人。

「東雲はさ、ばかだよね。」


「…今いうか?」

東雲がクスっと小さく笑う

「だってばかじゃん。
私が東雲から離れるわけないのに。」


「え?」


「ムカつくから離れろって言われても離れてやんない」


あたしを抱き締める東雲の力が
一瞬緩んだかと思ったら、

またすぐに力づよく抱き締められた。



心地いい。

ぎゅってされてるのに痛くない。
それが本当に心地いい。

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