俺様社長と結婚なんてお断りです!~約束までの溺愛攻防戦~
あと2ヶ月 思いのすべて
住んでいる人間の生真面目さが伝わってくるような、すっきりと整理整頓されたリビングには沢山の写真が飾られている。
ランドセルを背負ってピースサインをしているもの、ぶかぶかのセーラー服が初々しいのは中学の入学式、桜色の振袖を着て両親と並んでいるもの。
大半の写真が洸にとっても懐かしく感じるものばかり。
「はい、お茶どうぞ」
「ありがとうございます。突然お邪魔して、すみません」
「あら。久しぶりだからってそんな他人行儀にしないでよ、洸ちゃん」
目の前の女性は羽衣子にそっくりの顔で、羽衣子と同じように洸をちゃん付けで呼ぶ。
「お父さんもすぐに帰ってくると思うから、ゆっくりしていってね」
羽衣子の母親である綾子は洸の向かいに腰を下ろして、自分も紅茶に口をつけた。
今日は美羽町の隣町に住む昔からのお得意様にデザイン案を提示しに行く予定だったのだけれど、先方の都合で急にキャンセルになった。
それで、ふと思いついて羽衣子の実家に顔を出してみたのだ。
今日に限って、羽衣子とは別行動だったので洸一人だが、綾子は歓迎してくれた。
「先生してた頃は平日なんて息つく暇もないくらい忙しかったんだけどね〜
今は毎日ヒマでヒマで・・・羽衣子もたまにしか顔を出さないし、洸ちゃんが来てくれて嬉しいわ」
羽衣子がたまにしか顔を出せない元凶はどう考えても自分なので、洸はうっと言葉を詰まらせる。
ランドセルを背負ってピースサインをしているもの、ぶかぶかのセーラー服が初々しいのは中学の入学式、桜色の振袖を着て両親と並んでいるもの。
大半の写真が洸にとっても懐かしく感じるものばかり。
「はい、お茶どうぞ」
「ありがとうございます。突然お邪魔して、すみません」
「あら。久しぶりだからってそんな他人行儀にしないでよ、洸ちゃん」
目の前の女性は羽衣子にそっくりの顔で、羽衣子と同じように洸をちゃん付けで呼ぶ。
「お父さんもすぐに帰ってくると思うから、ゆっくりしていってね」
羽衣子の母親である綾子は洸の向かいに腰を下ろして、自分も紅茶に口をつけた。
今日は美羽町の隣町に住む昔からのお得意様にデザイン案を提示しに行く予定だったのだけれど、先方の都合で急にキャンセルになった。
それで、ふと思いついて羽衣子の実家に顔を出してみたのだ。
今日に限って、羽衣子とは別行動だったので洸一人だが、綾子は歓迎してくれた。
「先生してた頃は平日なんて息つく暇もないくらい忙しかったんだけどね〜
今は毎日ヒマでヒマで・・・羽衣子もたまにしか顔を出さないし、洸ちゃんが来てくれて嬉しいわ」
羽衣子がたまにしか顔を出せない元凶はどう考えても自分なので、洸はうっと言葉を詰まらせる。