俺様社長と結婚なんてお断りです!~約束までの溺愛攻防戦~
「よし。ま、悪くはないか」
洸は羽衣子の全身を上から下までチェックして、満足そうに頷いた。
一生縁がないだろうと思っていた高級ブランド店のワンピースに12㎝もあるハイヒール。
美容院にまで連れていかれて、いつも梳かすだけで済ませている髪はハーフアップに綺麗にセットされている。
昔観た映画にこんなシーンがあったなと羽衣子は思い出す。
ヒロイン気分で喜ぶべきところなのだろうけど・・・
お洒落に興味のない羽衣子には、こんな高価な服は着ているだけで肩が凝って、疲れてしまう。
「これは一体何なの? これから、誰かの結婚式??」
「これから食事に行くんだよ。デートだから、ちゃんとお洒落してこいって言ったのにお前がどうでもいい格好でくるから悪いんだろーが」
今日羽衣子が着ていたのは白いコットンレースのブラウスに綺麗めなブルージーンズ。 デートにぴったりな動きやすいコーディネイトだったと思うんだけどな。
洸ちゃんの言うデートと羽衣子の思うデートは何かが大きくズレているようだ。
「さっきのお店の支払い、お給料からの分割払いでお願いします・・」
一括払いはとてもじゃないけど、無理だ。 羽衣子はおずおずと申し出た。
「やるよ。特別ボーナスだと思って、貰っとけ」
「えぇ〜〜!? 優しい洸ちゃんなんて、裏がありそうで怖いよ・・・」
思わず顔をしかめた羽衣子の手を洸はぐんと引っ張って、自分の方へ引き寄せた。
「今日は思いっきり優しくするから、そのつもりでいろよ」
洸の声は少し低めで、ぞくりとするほど色っぽい。
「・・なんで?」
羽衣子は怪訝な眼差しを洸に向ける。
「だって羽衣子は俺のこと好きになりたいんだろ?」
「・・・そんな事言った?」
「結婚は好きな奴としたいんだろ!?
だったら、俺を好きになれよ」
洸はさも当然といった顔で、自信たっぷりに笑う。
この自信は一体どこから来るのか・・・
羽衣子には不思議でならなかった。
「・・・だから、何で私が洸ちゃんと結婚する前提なのよ!?」
至極まっとうな羽衣子の反論を無視して、洸は足早に歩き出す。
足が長い上に早歩きだから、あっという間に置いていかれてしまう。
羽衣子は洸の背中を慌てて追いかけた。
・・・結局、似合いもしないワンピースを着せられて、洸が勝手に選んだレストランへ向かっている。
何だかんだ言っても、いつだって洸のペースに乗せられて、羽衣子はそれに逆らえないのだ。
羽衣子は無性に悔しい気持ちになった。
悔しいから・・・
さっき、ほんの少しだけ、
洸の笑顔にドキッとしたことは絶対に絶対に秘密にしておこう。
洸は羽衣子の全身を上から下までチェックして、満足そうに頷いた。
一生縁がないだろうと思っていた高級ブランド店のワンピースに12㎝もあるハイヒール。
美容院にまで連れていかれて、いつも梳かすだけで済ませている髪はハーフアップに綺麗にセットされている。
昔観た映画にこんなシーンがあったなと羽衣子は思い出す。
ヒロイン気分で喜ぶべきところなのだろうけど・・・
お洒落に興味のない羽衣子には、こんな高価な服は着ているだけで肩が凝って、疲れてしまう。
「これは一体何なの? これから、誰かの結婚式??」
「これから食事に行くんだよ。デートだから、ちゃんとお洒落してこいって言ったのにお前がどうでもいい格好でくるから悪いんだろーが」
今日羽衣子が着ていたのは白いコットンレースのブラウスに綺麗めなブルージーンズ。 デートにぴったりな動きやすいコーディネイトだったと思うんだけどな。
洸ちゃんの言うデートと羽衣子の思うデートは何かが大きくズレているようだ。
「さっきのお店の支払い、お給料からの分割払いでお願いします・・」
一括払いはとてもじゃないけど、無理だ。 羽衣子はおずおずと申し出た。
「やるよ。特別ボーナスだと思って、貰っとけ」
「えぇ〜〜!? 優しい洸ちゃんなんて、裏がありそうで怖いよ・・・」
思わず顔をしかめた羽衣子の手を洸はぐんと引っ張って、自分の方へ引き寄せた。
「今日は思いっきり優しくするから、そのつもりでいろよ」
洸の声は少し低めで、ぞくりとするほど色っぽい。
「・・なんで?」
羽衣子は怪訝な眼差しを洸に向ける。
「だって羽衣子は俺のこと好きになりたいんだろ?」
「・・・そんな事言った?」
「結婚は好きな奴としたいんだろ!?
だったら、俺を好きになれよ」
洸はさも当然といった顔で、自信たっぷりに笑う。
この自信は一体どこから来るのか・・・
羽衣子には不思議でならなかった。
「・・・だから、何で私が洸ちゃんと結婚する前提なのよ!?」
至極まっとうな羽衣子の反論を無視して、洸は足早に歩き出す。
足が長い上に早歩きだから、あっという間に置いていかれてしまう。
羽衣子は洸の背中を慌てて追いかけた。
・・・結局、似合いもしないワンピースを着せられて、洸が勝手に選んだレストランへ向かっている。
何だかんだ言っても、いつだって洸のペースに乗せられて、羽衣子はそれに逆らえないのだ。
羽衣子は無性に悔しい気持ちになった。
悔しいから・・・
さっき、ほんの少しだけ、
洸の笑顔にドキッとしたことは絶対に絶対に秘密にしておこう。