キミは空に輝く
はじめまして
夏でも涼しいと聞いていた
北海道の8月後半
予想外の暑さに
早くも気持ちが落ち込んでいく。
(こんな気分でちゃんと話せるかな…)
そう考えながら、
初めて登校した学校の廊下を歩く。
やがて、教室の扉の前に到着すると
前を歩いていた担任の先生が振り返る。
「ここが今日からあなたのクラスよ。」
―3年2組―
中学3年の夏に転校なんて、
絶対訳ありでしょ。
きっと中にいるみんなもそう思ってる。
でも仕方ないじゃん…
お母さんのためだもん。
「橘さん大丈夫?入るわよ?」
「…すみません。大丈夫です。」
―キーンコーン カーンコーン―
チャイムが鳴ると同時に
教室の扉が開かれ、
私は今日から始まる新しい生活の
第一歩を踏み出した。