キミは空に輝く

部屋の時計も8時を回り、


私は帰る支度を整える。


「今日は本当にありがとうございました。

すごく、楽しかったです!!」


太耀君の家族にお礼を伝え、


私を送るために着替えに行った太耀君を待つ。


すると、ずっと黙っていた月子ちゃんが


静かに口を開いた。


「あなた…太耀の事好きなの?」


思いがけない質問に、


何と答えていいかわからず戸惑う。


「適当な気持ちで、

私達家族を壊さないでよね!

あんたがいなかったら、

太耀もあんなこと言わなかったのに…!!」


(家族を壊す…!?あんなこと…?)


わけがわからず、


困る私にお姉さん達が声をかける。


「ごめんね!!気にしないで!」


「ちょっと月子!

それは言わない約束でしょ…!」


月子ちゃんはまだ何か言いたそうに


私を見ていたが、お姉さん達に連れられて


部屋の奥へと消えて行った。


私が全く状況が理解できずにいると、


着替えた太耀君がやってくる。


「ごめん、お待たせ!

って…どうかした?」


不安な顔をしている私に気づき、


太耀君が心配そうに声をかけてくれる。


私は聞きたいよりも、


聞くのが怖い気持ちが勝り、


無理に笑顔を作って、首を振った。


「なんでもないよ!

帰るのが寂しいなーって思っただけ…。」




今日はクリスマス。


あと少しキミと一緒にいられる時間は、


楽しい事だけを思って過ごしたい。


私は大きな疑問を心の奥に押し込み、


うっすら積もった白い雪道に


2人だけの足跡を残して歩いていった。

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