キミは空に輝く

冬休みが終わり、新学期が始まると、


教室の中は益々受験モードで、


みなそれぞれ勉学に励んでいる。


初詣の日に結局太耀君の受ける高校を


聞けなかった私は、


その後も何度となく聞こうと試みるが、


うまくいかず2月を迎えてしまった。


そんなある日、太耀君が学校を休んだ。


(風邪かな?すぐ治るといいけど…。)


休み時間そんな風に考えていると、


クラスメイトの原田君が急いで教室に


駆け込んで来た。


「おい!誰か太耀の話聞いてたか!?

あいつ…中学卒業したら単身赴任の

父ちゃんのとこ行くから、今日は向こうの

私立の受験で休んでるらしいぜ!!」


――…!


突然の知らせに教室中がざわめく。


「えー!?超寂しいんだけど!」


「高校違っても、また遊んだり

できると思ってたのにー!」


みんなが思い思いの事を口にする中、


私は呆然と立ち尽くす…。


「……。」


(私…何も聞いてない…。)


教室のざわめきが遠くに聞こえ、


私の頭の中には、


太耀君の『側にいる』という言葉だけが


何度も繰り返し響いていた。

< 27 / 33 >

この作品をシェア

pagetop