キミは空に輝く
冬休みが終わり、新学期が始まると、
教室の中は益々受験モードで、
みなそれぞれ勉学に励んでいる。
初詣の日に結局太耀君の受ける高校を
聞けなかった私は、
その後も何度となく聞こうと試みるが、
うまくいかず2月を迎えてしまった。
そんなある日、太耀君が学校を休んだ。
(風邪かな?すぐ治るといいけど…。)
休み時間そんな風に考えていると、
クラスメイトの原田君が急いで教室に
駆け込んで来た。
「おい!誰か太耀の話聞いてたか!?
あいつ…中学卒業したら単身赴任の
父ちゃんのとこ行くから、今日は向こうの
私立の受験で休んでるらしいぜ!!」
――…!
突然の知らせに教室中がざわめく。
「えー!?超寂しいんだけど!」
「高校違っても、また遊んだり
できると思ってたのにー!」
みんなが思い思いの事を口にする中、
私は呆然と立ち尽くす…。
「……。」
(私…何も聞いてない…。)
教室のざわめきが遠くに聞こえ、
私の頭の中には、
太耀君の『側にいる』という言葉だけが
何度も繰り返し響いていた。