キミは空に輝く
太耀君は、私の考えている事がわかったのか
一度頷いた。
「うん、六花ちゃんと同じ北高なんだ。
俺の学力的にはかなり厳しくて、
ダメだったら格好悪いと思ったらなかなか
言えなくて…。」
太耀君はそう言ってから、
改めて私と向き合う。
「でも…そんな弱気じゃダメだよね!
俺、絶対に北高受かるから!!」
太耀君の言葉を聞いて、
私の顔にやっと笑顔が浮かぶ。
(太耀君と、これからも一緒にいられる…!)
太耀君は、私の笑顔にほっとすると、
再び真剣な表情で話し出す。
「それで…高校に受かって、
六花ちゃんの側にいる資格がちゃんと
できたら…。」
「…うん?」
私は、言葉を選ぶように考えながら
話す太耀君を不思議な気持ちで見つめる。
「その時は、俺の気持ちをちゃんと
伝えたいから、それまで待っててほしい。」
(太耀君の気持ち…。)
ドキドキと高鳴る胸を抑えながら、
私は大きく頷く。
試験まであと少し…。
私達は、まだ言葉にはならない
お互いの気持ちを胸にしまいながら、
その日に向けて歩みだした。