キミは空に輝く

高校の合格発表の日…。


私達はさっきまで校門の奥に立たされた


掲示板の前に並び、


自分の番号を探しながら、


静かにお互いの手を強く握った。




…そして今、


私達は手を握ったまま、


初日の出を見たあの丘へと向かっている。


お互いに無言のまま歩きつづけ、


やっと丘の上に到着する。


今日も空には太陽が輝き、


チラチラと舞う雪の結晶が


その光を受けて、綺麗に輝いている。


しばらくその光景を眺めていると、


やっと太耀君が口を開く。


「…六花ちゃん…。」


「…うん。」


――…。


また少しの間、沈黙が続く。


そして、太耀君は意を決したように


私に向かい合う、


「俺、六花ちゃんの事が好きです!

これからも、君の側にいたい。

背も小さいし頼りないかもしれないけど…

俺と、付き合って下さい!!」


太耀君は、緊張した面持ちで…


だけど私から目を反らす事なく、


私の返事を待っている。


(返事なんて…もうずっと前から

決まってるよ…。)


私は、太耀君の目を見つめながら、


静かに口を開く。


「私も…太耀君の事が好きです…!

これからもずっと、一緒にいたい…。」


最後の方は、緊張からか涙が浮かび、


声が小さくなってしまった…。


それでも、私達はやっとお互いの気持ちを


伝え合う事が出来た。


太耀君は、嬉しそうに私の手を強く握る。


「女の子の手…握りたいなんて思ったこと

なかったのになー。」


「私も…手を握られて嬉しいって思える日が

来るなんて思わなかった…。」


私達はお互いに照れながら、


恋人同士になれた実感を感じていた。


「……。」


「………。」


恥ずかしさからか、お互い無言になるが、


太耀君が小さく話始める。


「六花ちゃん…あの、

嫌だったら止めるけど…

抱きしめても…いい…?」


「―…!!」


突然の言葉に、


私は顔を真っ赤にして固まってしまった。

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