イジワル御曹司と花嫁契約
ゆっくりと押し倒され、首筋を舌が這う。


そうだ、私たちはまだ一線を越えていないのに、一緒に住む約束をしてしまった。


一線を越えていないどころか、付き合ってもいない。


でも彰貴は当然のように、私を抱こうとしている。


そして私もそれを受け入れようとしている。


 本当にいいのだろうか、これで。このまま、流されて……。


「胡桃、愛してる」


 私の心配を読み取るように、彰貴は愛の言葉を囁いた。


 ……いいんだ、これで。


流されてもいい、傷ついてもいい。


全てを彰貴に捧げたい。


彰貴が欲しい。


彰貴を愛してる。


ただそれだけでいい。


 余計な力が抜けて、彰貴から与えられる刺激に身を震わす。


ただ、彰貴だけを感じていたい。


私を彰貴でいっぱいにしてほしい。



 愛してる、今はただ、それだけで……。
< 126 / 280 >

この作品をシェア

pagetop