イジワル御曹司と花嫁契約
「わ、私が無駄遣いしたらどうするの!」


「無駄遣いとは子供みたいな言い方だな。要は、このカードで胡桃が豪遊したらどうするんだって話か」


 私は彰貴の目を見ながら、コクコクと頷いた。


「例えば、そうだな、胡桃が高級バッグを買ったり、高価な家具を買ったり、エステに行ったり、とかそういうことだよな」


「そう、内緒でそういうことされたら嫌でしょ!」


 そんなことは絶対しない自信があったけれど、危機感を持ってほしくてあえて否定せずに言った。


すると……。


「何の問題もない。むしろ歓迎する」


「はあ!?」


 なに言っちゃってるの。


お金がありすぎて困ってるとでも言うわけ!?


「いつも色気ゼロのジーンズ姿だから、まあその姿も好きではあるが、女性らしい恰好をして輝いていく胡桃も見てみたい」


 彰貴は少し遠くを見つめて、ニヤリと笑った。


 ……なんかもう、呆れてというか、驚いてというか、私の常識の範疇を超えすぎていて言葉にならない。
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