イジワル御曹司と花嫁契約
彰貴が思っていることなんて、私には分かりっこない。


でも、一つだけ分かったことがある。


二人がずっと一緒にいるためには、お互いの価値観と生活に合わせていかなければいけない。


私と彰貴は、同じ日本で住んできたとは思えないほど生活の質が異なる。


これはもう、海外の人と付き合っているんだと思って、ある程度吹っ切らないとやってられない。


 無理だ無理だばっかり言ってないで、彰貴の生活に合わせる努力も必要よ、私!


 あの彰貴でさえ、私に合わせる努力をしてくれていたのに、それに全く気付いてなかったっていうのも問題。


 ずっと一緒にいるために、ずっと一緒にいたいから、そして、会う時間が少しで多く長くなるように……。


彰貴の家に住んで、もっと彰貴のことを知っていこう。


「それでは、胡桃様の気が変わらないうちに、彰貴様にその旨を伝えてよろしいでしょうか」


 八重木さんはにこにこしながら言った。


もう手には携帯が握りしめられている。


 気が変わらないうちにって……私は一体どういう性格だと思われているんだろう。
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