イジワル御曹司と花嫁契約
大富豪のエトセトラ
都心の一等地に佇む、ひときわ大きなタワービル。
街のシンボルマークでもあるその場所は、低層階が商業施設、中層階がビジネス階、そして高層階が賃貸となっている。
低層階のショッピング施設は高級店がずらりと並び、レストランやカフェも気軽に入れるような値段設定ではない。
私も一度観光目的で来たことがあったけど、あまりにも場違いな雰囲気に圧倒されて、たくさんある店をただ通り過ぎただけで終わった。
そんなところに、これから住む……?
一般客は入れない場所からタワービルの内側に入ると、まるで高級ホテルの正面玄関のようなところが現れた。
八重木さんはフロント正面に車を停めると、ドアマンがこちらに駆けつけてきた。
後部座席のドアが開き、ドアマンが恭しく礼をしている。
戸惑いながらも、ゆっくりと車から降りると、八重木さんも車を降りてドアマンにキーを渡した。
「さあ、行きましょう」
八重木さんはまるで秘書か執事のように、慣れた様子で私をエスコートする。
正面玄関横には、十四インチほどのテレビモニターがあって、八重木さんは暗証番号を入力すると更に瞳の虹彩認証までして、ようやくガラス扉が開いた。
街のシンボルマークでもあるその場所は、低層階が商業施設、中層階がビジネス階、そして高層階が賃貸となっている。
低層階のショッピング施設は高級店がずらりと並び、レストランやカフェも気軽に入れるような値段設定ではない。
私も一度観光目的で来たことがあったけど、あまりにも場違いな雰囲気に圧倒されて、たくさんある店をただ通り過ぎただけで終わった。
そんなところに、これから住む……?
一般客は入れない場所からタワービルの内側に入ると、まるで高級ホテルの正面玄関のようなところが現れた。
八重木さんはフロント正面に車を停めると、ドアマンがこちらに駆けつけてきた。
後部座席のドアが開き、ドアマンが恭しく礼をしている。
戸惑いながらも、ゆっくりと車から降りると、八重木さんも車を降りてドアマンにキーを渡した。
「さあ、行きましょう」
八重木さんはまるで秘書か執事のように、慣れた様子で私をエスコートする。
正面玄関横には、十四インチほどのテレビモニターがあって、八重木さんは暗証番号を入力すると更に瞳の虹彩認証までして、ようやくガラス扉が開いた。